あんたがほしい






赤眼の軍人の根底には必ず彼の皇帝がいた。


まずジェイドが取り乱すことはほとんど無いが、皇帝のこととなると別の話で、ピジョンブラッドを容易く揺らめかせることが出来るのを俺は知っている。抱いている最中に皇帝の名前を呟いてみせれば、ジェイドは眉を顰めて常人では見落としてしまう程に僅かな動揺を示す。俺はそれに逆上して、その度に後ろから抉るように酷く犯してやる。片時でも皇帝の存在を忘れさせることが出来たらそれでいい。ジェイドにとって俺は、性欲処理の対象でしかなかった。俺は皇帝の代わりにジェイドを抱いている。俺の気持ちを知っているくせにジェイドはその役目を俺に与え続けている。その上俺はジェイドが好きで、それでも、何度抱いたってジェイドは皇帝のものでしか無いのを知っている。どうしようもなく持て余している想いを、性欲処理の道具である俺としてでしか発散出来ないことが悔しかった。


もしも、想いを伝えたなら、俺は今よりも幸せになれるのだろうか。俺はきっと、答えを知っている。だから、今はただオーガズムを求めてジェイドを貪ればいいのだと取り留めの無い考えは消して、行為に集中した。





「ジェ…イド……っ」

絶頂の果て、一瞬視界がホワイトアウトする。余韻に浸っているジェイドに口付けて、一層深く繋がった。