絶倫野獣








唾液でぐちゃぐちゃになるまで唇をむさぼってやるとインドアの上司は苦しそうに息を上げた。こんなふしだらなキスをしたことはなかったけれど、無我夢中でしたらこうなった。すっかり息の上がった上司の白衣をせっせと脱がしていく。ぴったりとしたインナーを胸辺りまでたくしあげて日に当たらない白い肌をさらけださせる。この行為の最中には余計なことを考えてはいけない。背徳的だとか不純だとか、ただれてる、だとか。

「んっ」

少し伸びかけた爪でひっ掻いてしまったらしく小さいうめき声が漏れた。すみません、と一言呟いてからその部分をぺろりと舐める。だめだ、行為に集中しなければ彼を傷付けてしまう。どうせ途中から夢中になって何も分からなくなるのだけれど。愛撫くらいは、優しくしてやりたい。相変わらず他人のなかに自分が侵入っていく感覚は気持が悪かったが、丁寧に解したので出血はなかった。じゅる、と腰を進めたり退いたりする度に水音が漏れていて、いやらしい。抜かれる感覚がいいのか退くたびに華奢な身体はひくひくと震える。

「ロイドさん、気持いい、ですか?」

後ろからなので表情は全く見えない。ただ、先程より余裕がなくなっているのは確かだった。息が上がって、背中が汗ばんでいる。嬌声が少し高くなった。シーツを握る指先が震え、白くなっている。こうやって彼を観察出来るくらいには、彼とのセックスに慣れた。

手持ち無佐太な右手で彼の中心を握った。まだ達していないそこの先端を親指の腹で丹念に撫で回す。とろりと溢れ出した先走りの蜜が右手をべたべたに濡らした。それを潤滑油代わりに素早く性器を扱く。

「出していいんですよ?」

暫くしても何を我慢しているのか、なかなか達しようとしない上司の中心をぎゅっと握り込んで、先端に爪を立ててやった。一際大きく身体を揺らしたと思った直後、掌に生暖かい液体が放たれる。一旦抜いて、ぐったりとしている上司の身体をくるりと裏返した。 仰向けになってやっと表情が分かるようになる。お互いの荒い息遣いが聞こえるだけで、他には何も聞こえなかった。

「好きです、ロイドさん」
「……僕はキライ」

すっかり機嫌を損ねてしまったようだ。避妊具を使わずにセックスをした事が不満だったのかもしれない。しかも中に出してしまったから、余計に拗ねてしまっていた。別に男同士で子供が生まれるわけでもないのだが、処理が面倒だからなのか、中に出されるのはお嫌いらしい。

「僕、責任取りますよ」
「……はぁ?何言ってんの?」
「僕が最後までちゃんと責任取って処理しますから、ね?」

途端に嫌そうに顔を歪ませた上司の軽い身体を持ち上げシャワールームへ向かう。

「スザク君って、やっぱり絶倫だよねぇ……」
「ロイドさん限定ですよ」