エディデア
「最近付き合いが悪いんじゃないかい?」
「そうですかねぇ?」
軽く、言葉と肩を撫でる手をかわせば、男は途端に不機嫌になる。僕も歳なんですからたまには休ませて下さいよ、と苦笑した。
「ははは、よく言うよ」
椅子から立ち上がろうとした瞬間、強い力で壁に押し付けられる。狭く古い部屋が、きしっと音を立てた。…チョット、あまり暴れられると、宿直室が壊れるんですけど。
「知っているよ」
「…何をです?」
くいっと顎を持ち上げられる。自分よりも少しばかり背の高いシュナイゼルの顔が、間近にあった。
「若い男は、いろいろと大変だろう?」
下世話な。そう呟けば、お前ほどじゃないと返される。皇族らしい気品のある顔立ちをしてはいるが、今の表情は気品の欠片も無い。そのまま唇が重なった。口内に生暖かい舌が入り込んでくる。
「んっ、ん……は」
酸素を求め口を開けば、調度良いと余計に舌が入り込んできた。ザラリとした舌同士が絡み合う。唾液が顎を伝って首筋に落ちて、インナーの襟を濡らしていく。
「関係を持つのは構わないが、君がこんな調子じゃ私がつまらない」
「相変わらず、自己中心的ですね」
「君に惚れているんだから、仕方無いだろう?」
「…気っ色悪いなァ」
「そう言わないで。君を気に入っているのは確かだよ?」
「…それはそれは、光栄でございまぁす」
そう言ってキスをスルリとかわせば、目の前のシュナイゼルが子供のように唇を尖らせた。こんな表情、普段は決して見る事が出来ないだろう。可愛いなどとは思わないが、この顔を写真に撮ってシュナイゼルの取り巻き達に売りつけたら、研究費の足しくらいにはなるのではないだろうか。
「好きだよ、ロイド」
「…お気持ちだけ頂いておきます」
またキスを拒んだら、本当に付き合いが悪いとふてくされてしまったので、仕方なくこちらからキスをしてやった。