I LOVE YOU!








「ロイド!!結婚しよう!!!!」
「…………はぁっ?」
「ああ、ああ、驚いた顔も可愛いなあ、ロイドは……」
「…ちょ、何を急に…変な冗談はやめてください殿下本気で気持ち悪いです」

そういえばブリタニアでは同姓婚が認められているんだった、とロイドは記憶の片隅に残っていた、どうでもいい国法を思い出した。

「急ではないさ。ロイドを初めて見た時から決めていたんだ。僕の未来の花嫁に、と……」
「ちょっと待ってください、初めて見た……って何年前の話ですか」
「僕とロイドの…は、初めて……は二十年程前になるかなあ……」
「頬を赤らめながら言うことじゃないですし、含みを持った言い方はやめてください」

両方の人差し指の先を、ちょんちょんと合わせながら、

「こ、告白すると、僕はね、ロイドを見た時に生まれて初めて勃起を経験したんだよ」

そう呟いたのが聞こえて、ロイドは涙が出そうになる。気持ち悪い。

「あ、多少の免疫はついたけれど、今でもたまに危なかったりするんだよね」
「………………」

後頭部を鈍器で殴られたような衝撃に襲われて、ロイドは本気で泣きそうになった。

「あ、えっと、免疫と言うのは、毎晩イメージトレーニングを欠かしていないからであって、浮気などと言う訳ではないから安心して?そんな哀しそうな顔をされたら、僕はどうしたらいいのかわからなくなってしまう……」
「は、ははは……」

乾いた笑いが、自然と唇から漏れた。何を、どう、安心すればいいと言うのだろう。わからない。わからなすぎて頭が痛くなってきた。もう嫌だ。あれ、どうしよう。ゆっくりと、意識が遠退いていく――…。




――あれ?どうしてボクは横抱きにされて、城内を歩いているんだろう。どうして気付いたら広ーいベッドの上にいるんだろう。殿下の顔が目の前に、あああああ視界が闇に染まっていく。下半身に感じる何とも言えない感触にうなされながら、早く研究室に戻りたい、と切に願った。今では、ジャムおにぎりでさえ恋しくて堪らない。食べ物にそんな感情を抱く日がくるなんて、とロイドは自嘲気味にわらった。



ロイドが目を覚ますと、シュナイゼルは眦を下げ、ひどくだらしない顔でロイドを見ていた。左手の薬指には、シンプルなシルバーのリングがはめられている。いつの間にこんなものがボクの指に。

「おはよう、眠り姫」
「…はだか…?」
「ロイドはすごく綺麗な肌をしているよね」
「…ゆびわ…?」
「ああ、似合っているよ。それより、ロイド。式は本国で挙げようね」

これも夢であってほしい、と涙でシュナイゼルも未来も何もかもがぼんやりと霞んでしまった世界の中で、ロイドは思った。