エピキュリアンズ







「ふぁ…っ、しゅな、ぜる……っ」

ロイドはキスひとつでトロトロになってしまうくらい快楽に従順だ。ぽやんとした表情のまま、赤い顔で続きを強請ってくるのがが堪らなく可愛い。潤んだ瞳に見上げられたときは、我慢出来なくて先走りを漏らしたこともあった。

ロイドは基本的にいい加減なので、男同士のセックスに対して偏見も無ければ見境もなかった。だから、誘われれば大人しく抱かれる。そんな都合の良い男に成り下がっていても、僕はロイドを愛していた。だがロイドにとって僕は「自分を抱く男の中のひとり」に過ぎないのだ。ロイドの前では地位も名誉も美貌も、すべてが意味を成さない。

「シュナイゼルぅ……は、早く触ってぇ……!」
「はは、ロイドは本当に堪え性が無いね。仕方がない子だなあ……」

望み通り、痩せぎすの身体を優しく愛撫する。ロイドの身体はどこもかしこも骨張っていて、堅い。だから、柔らかい唇や尻をふにふにと揉むのが僕は好きだった。そのとき、ロイドは熱っぽく瞳を潤ませながら、僕をじっと見上げている。


くいっと顎を持ち上げると、ロイドは目を閉じて大人しく唇を差し出した。嗚呼、この従順さが何とも言えず愛おしい。軽く触れるだけのキスをすると、物足りなさそうにロイドは僕を見上げてくる。 思わずぎゅうっと強く抱きしめると、ロイドは小さく呻きながら苦しそうに身悶えた。

「ロイド……」

仕方なく腕を解き、代わりに髪を撫でてやると、ふるっと震えた。嗚呼、この反応が堪らない。本当に快楽に対して従順だ。開発した甲斐があった、と僕はほくそ笑んだ。

「……あっ、ぁん……っ!」

暫く髪を撫でていると、ロイドは自分で自分のモノを扱き始めた。先走りをたっぷり漏らしたそれは、なかなか達けなくて面白い程に反り返っていて、とても痛そうだ。手を添えて擦ってやると、随分アッサリと白い液体がロイドの真っ平らな腹と僕の手を汚した。僕は少し拍子抜けした。

「ひ、あぅ……っ」
「ロイドは淫乱だね?ほら、こんなに汚してしまって……」

手の平に付いた精液を見せ付けながら言うと、少しムッとして、今度は後ろを慣らし始めた。 まあ、これはこれで目に嬉しい光景ではあるけれど。残念ながら、僕は視姦にはあまり興味が無いのだった。

「手伝ってあげるよ」
「ふぇ?…あっ!…ぁ、ぁあ…っ!?」

ロイドの神経質そうな指に己の指を絡めて、後孔に突き刺した。じゅぷっと内壁と指達が擦れて音を出す。 あう、と一声漏らした後は従順に尻を差し出す辺り、本当に淫乱だ。柔らかな内側を傷付けまいと撫でるように指を動かせば、歯痒さからかロイドは泣き出した。嗚呼、泣かせてしまった。ごめんね。苛めるのは好きだけど、泣かせるのは本位じゃない。

だから、今、楽にしてあげる。

一旦ロイドの中から一緒に指を引き抜き、今度は僕の指だけを挿入する。すんなりと三本を呑み込んだ其処をカパリと開き、縁のところを舌でなぞると、ロイドの身体がひくんっと跳ね、ぴゅっと僅かに射精した。これだけでは気持ち好く達けないことは分かっている。

お楽しみはこれからだ。

「ひ、あ、あぁっ…らめ、ア…ふぁあ、やぁ……っ」

前立腺を摘み上げ、思い切り押し潰すと、びゅくっと勢い良く精液が飛び散った。先程出したのにも関わらず、たぷんたぷんっと二度三度と射精を繰り返し、シーツをびしょびしょにしてしまった。

身体を反転させ仰向けにし、射精の余韻に浸っているロイドの足を抱え、いつの間にか完全に勃起していた自身を、拡がりきった孔へと捩じ込んだ。完全に結合した瞬間、ロイドはまた達った。あう、と泣きそうな声を掻き消すようにキスを仕掛ける。その隙に一度入り口まで引き戻し、再びずんっと突き上げると、ロイドはもっとというように僕の首に腕を回した。

愛しいよ、ロイド。君は何て従順で、そして貪欲なのだろう。突き上げながら、濃厚なキスをする。もう上顎すらも性感帯なのか、ロイドの中心はゆるゆると頭を擡げ始めていた。汗で張り付いた前髪を払ってやると、快楽に溺れた表情が露わになる。ぼうっとしていて、ひどく淫靡な表情は、劣情を煽るには充分だった。

「あっ、ああっ、ぁ……っ!」

もうロイドのものは完全に勃ち上がり、先端から透明な露が玉になってぷくりと浮いていた。細すぎる脚が絡みついて、僕を逃がすまいと拘束する。ストロークの感覚をどんどん短くしていくと、絶頂の瞬間がもうすぐ訪れるのを感じて、僕は最後の一突きを最奥へと捩じ込んだ。

「あ、はぁあ……」

ロイドは恍惚の表情で僕を見ている。嗚呼、なんて綺麗なのだろう。 綺麗すぎて、眩暈がする。僕は内蔵まで吸い上げられる気持ちで、締め付けられながら、ロイドの中に精を放った。